足首の骨折

　スポーツなどで足首を強く捻った、自宅で足を捻って転倒したなど、捻挫かなと思っていたら、足首の近くの骨、腓骨下端部、足の小指中足骨などが折れることがあります。とくに中高年の方が足を捻って腫れが大きい場合は骨折がないか調べる必要があります。

　右のエコー画像は、60才男性、自宅で足を捻って転倒し、足首外側に痛みを訴え歩行困難な状態で来院されました。受傷1日後は、足首はそれほど腫れていなかったのですが、腓骨下端にヒビのような骨折線がみられ、テーピングによる固定を行いました。1週間経過すると腫れも大きくなり骨折線もはっきり見られるようになります。治療は筋膜の捻れを取り、足関節の可動性をつけて週に2,3三回治療を受けました。骨折部分の痛みはなかなか消えませんでしたが、根気よく治療されたので2ヶ月程で完治しました。

　下のエコー画像は68才女性、踏み台から足を外して転倒し骨折後8カ月も経ち、病院でレントゲンを撮りその後治療を受けたが、足首の硬縮が取れず、痛みも残ったままで来院されました。病院では骨折した部分の隙間にゴミのようなものが詰まり、痛みが取れないのだと言われ、治すには手術しかないと診断されました。驚くようなおかしな診断だと思いましたが、足首周りの軟部組織（靭帯、筋肉、筋膜）の正常な状態へ治療すると、2回の治療で痛みも回復しました。

　捻挫でも、特に小学生の子供や、高齢者が足首が捻って腫れている時は、骨折を疑った方がいいので、接骨院などで骨の状態や靭帯の損傷程度を診てもらう方がいいでしょう。