肩板断裂(損傷)

 肩板とは、肩関節の内側にある筋肉(棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋)の付着部にあたる部分で外側にある三角筋の内部にあり、別名インナーマッスルと呼ばれます。

 転倒や重たいものを持ったりと急激な負荷で切れてしまう外傷性のものや、加齢性の変化で徐々に腱板が徐々にすり減り切れる変性による断裂、およびそれに軽微な外傷が加わって起こるものがあります。

 実際には、原因がはっきりせず、ちょっと肩の筋肉を使って、次の日に痛くなったら、肩板が損傷していたり、知らないうちに加齢によって肩板がすり減っていくことも多いです。

 自覚症状として、肩の挙上困難で、無理あり挙げようとすると、肩をすくめるようにして挙げようと努力します。挙上90度あたりで保持できず痛みも増大します。

右上のエコー画像は、71歳男性の肩の肩板です。農作業をしていて、次の日に肩が痛くて挙がらなくなって、来院、肩板(赤い部分)の内部が裂けてたようになっています。(矢印部分)また、肩全体が腫れて、三角筋と肩板の間にも水腫が見られます。(下の画像)

 初回の治療で肩の腫れを引かせるような施術と、肩の筋膜のリリースを行うと挙上が容易にできるようになったことから、明らかな肩板断裂では無いようでした。その後2,3回施術を行い、肩を普通に挙上できるようになり、腫れや痛みもなくなってきました。 今回のようにエコーでは肩板が縦に亀裂が入っているようにな状態で腫れた場合では、予後が良好で完治することが見込まれます。

 また、このように、肩は腫れて水腫がたまりやすく、夜間痛で夜が寝れないことがあります。寝ている姿勢が肩関節にストレスがかかるからです。日中、肩を酷使した日の夜寝ている時に、急に肩の痛みが出ることがあり、うずくような痛みがおこります。そのような状態のとき肩に水腫がたまっていることがあり。肩の筋肉を休めたり、施術による筋膜をリリースして痛みを取ることが有効です。