腕を引っ張られた時に発生することが多い
肘内障(ちゅうないしょう)
肘関節にある橈骨輪状靭帯が橈骨頭から逸脱する小児特有の傷害です。2歳~4歳くらいの子供が、手を急に引っ張られた時に発生します。
受傷直後は痛みのため急に手を使わなくなり、手を上に挙げたりしません。経験的に2歳くらいの子が一番多いような気がします、幼い子供のケガなので症状をうまく伝えることができず、保護者は手首や肩が痛いのかと勘違いしたりします。すぐに接骨院に行って靭帯を正しい位置に整復すれば、痛みが取れすぐに手を動かすようになり完治します。
下のエコー画像は2歳の男の子が、保育園で腕を引っ張られた際に肩から肘の当たりに痛みを訴えて、来院した時の肘外側の画像です。左の画像は健側の肘で、真ん中は患側、右は整復(治療)後の画像です。
健側 患側 整復後の患側
患側の矢印の部分で、健側と比較すると輪状靭帯が回外筋と一緒に引き込まれているのが分かります。手技で靭帯と橈骨の位置を整復すると右の画像のようになり、直ちに痛みの消失を子供は訴えます。