下腿内側の短軸映像

シンスプリント

その1

 後脛骨筋、長趾屈筋の付着部、の痛みで下腿内側前面、すねの内側、骨のすぐ際に、運動をすると痛みを誘発することがあります。特に陸上、バドミントンなど下半身を酷使する激しいスポーツをしている中高生に多く見られ、女子の方が多い傾向にあります。 右のエコー画像は、高校2年生のバドミントンをしている、女子の下腿内側の画像です。強豪校の選手で1か月ほど前からバドミントンをしている時に痛みが出るようになったといいます。↓の部分の筋膜が盛り上がっているのが分かります。過度の足の筋肉の使い過ぎで、筋繊維に疲労がたまり腫れた状態になり、触診すると、患部の筋肉が硬く盛り上がってくるのです。

 治療は、手技で、患部の筋繊維の老廃物を除去して柔らかくしてあげるととても楽になります。ただ再発しやすい疾患で、治りにくいのも事実で、足底版を運動靴に挿入して負担を減らしたり、予防の体操やストレッチ等の自宅でのケアも必要となります。痛みを放置して練習を続けると、疲労骨折につながるので早めの治療が大事になります。

 

 症例 その2

シンスプリント 重症

 下の画像は、陸上で中距離を専門にしている女子中学生の下腿内側の長軸像です。1週間前から痛みを訴え、歩行での痛み、触っても痛いほど重症でした。左下の青い部分が動脈での拍動を表し、患部に炎症を起こしていることが分かります。↓の部分で骨膜(骨の表面のライン)が途切れているのが分かりますが、ちょうど動脈と重なっているので疲労骨折の間違えやすいのですが、骨は異状はない状態です。ただおそらく骨膜の部分が損傷し、これ以上無理して運動を続けると、疲労骨折に発展する危険がある状態だと考えます。治療は、アイシングをして、同じく硬くなった下腿内側の筋膜を緩めます。根気よく治療して2~3週間の治療期間を要します。