こんにちは院長の中村です。今年もあと1か月、少し慌ただしくなってきましたが、頑張っていきましょう。年末の掃除や整理整頓、断捨離をしたいのですが乗り気にならず後回しにしてしまいがちです。やる気という名の処方箋があれば、お金を出してほしいと思うこの頃です。そんな時は、「言葉先にありき」といって、前向きな言葉を発していると本当に気持ちも前向きになってやる気も行動力もついてきます。いい言葉を発しているといいことが起きるようになります。サッカーワールドカップでは日本が盛り上がっていますが、試合で大事なのは、勇気を出してチャレンジして攻めること、必ずスポーツ選手が口にする言葉です。日常生活でも生かしていきたいです。
イップス
イップスとはスポーツやあるいは美容師、料理人、ピアニストなどの音楽家、手を専門的に使う職業の人の手の筋肉が勝手に収縮して全くパフォーマンスができなくなる疾患です。脳のMRIで異常がなく、心理的なものであるとされてきましたが、局所性ジストニアという脳の病気であることが判明してきました。ジストニアとは、中枢神経系の障害による不随意で持続的な筋収縮による運動障害、姿勢異常の総称です。歌手でも声帯が収縮して声が出せないなど、音楽家では100人中4人ぐらいいるという。特定の動作を繰り返し行う人、反復練習を何度でも長時間したり、その道を究めようとする努力家に多い気がします。この院に来た患者さんで、野球のピッチャーをしている選手が中学で発症し、手の指が曲がってボールが握れなくなり、左投げに変更していました。その方はボールを握らなくても、日常でも指が曲がるという症状でした。
熟練した技能や運動をに見つけるには、繰り返し反復動作をして、脳の中の運動プログラムを作り替えていく必要があります。その過程が行き過ぎた場合、回路の誤作動が起きて脳の指令異常が起きるというのが原因だといわれます。
治療法は
大脳皮質→大脳基底核→視床→大脳皮質
以上のサイクルがうまくいくように治療が行われます。
*大脳基底核 大脳皮質と視床・脳幹を結びつけている神経核の集まり
*視床
視覚、聴覚、体性感覚などの感覚入力を大脳新皮質へ中継する重要な役割を担う。
*大脳皮質
大脳の表層を覆うシワシワの部分で、前頭葉、頭頂葉、側頭葉などと呼ばれる部位の総称
今現在日本における最先端の治療法は、脳神経外科医の平孝医師の確立した定位的脳熱凝固術です。意識のある患者の脳(視床)に電極をさして、患者ができなくなった動作を行うものです。電極をさすと、運動を妨げる異常な筋収縮を抑えてくれて元の動きを回復させてくれます。とても患者さんは驚いて喜ばしい手術ですが、ただ一番良かった時の状態に戻れるというわけではなく、その動作における筋肉の収縮を抑えるというわけでリハビリが必要であったりして、繊細な感覚や熟練した技を取り戻すのは容易ではないようです。